本日のスターターはイナダ、ブリの小さい奴。
ブリが出世魚で成長とともに名前が変わるというのは
結構知られた話だが、地域によってその名称がまちまちなので
混乱しやすい。
私が以前いた能登でも、小さな小魚から大きな寒ブリまで様々な
サイズの物が獲れたが、ツバスという呼び名は使われない。
今日のツバスはちょっと小さめ。鮮度は悪くない。
元々「ブリ」とは言ってもこのサイズでは大して脂はのらない。
刺身にしてもパンチは無いが、鮮度が良ければくせがなくて
さっぱり感としみじみとした旨味が持ち味の魚だ。
コイツも今迄一体何匹捌いてきたか分からないが、
中骨に身を残さずきっちり捌けるかと言うとあまり自信がない。
慎重に取り掛かるが結果はイマイチ。
しかし久し振りにさばいたフクラギ(能登ではこう呼ぶ)の刺身、
食べたくてうずうずする。幸いここで昼休みとなり
昼食にフクラギを食べる。少し握りにするが、少し厚めに切って
刺身で食べた。満足だったが、大満足と言うには日本酒かお昼なんで
一歩譲って熱い白米が欲しい所だ。
午後はハマチのフィレを捌いて握りの仮テストをやった。
ハマチもブリなんでツバスと兄弟みたいなもんだが、
養殖魚なので脂ギトギトでまるで別人だ。とても食う気にならん。
しかしS君は「俺はこっちの方がいいです。」と言う。
まあ、そーだろーねぇー。
握りの仮テストは苦戦した。一分間に5貫以上握らなければならず、
しかもフォルムとシャリの重さのチェックがある。それを3ラウンド
おこなって、合格品を1個1点として10点取ったら合格と言う。
やってみたらとても1分で5つも握れない。
またまたショックを受けて授業後ハマチで握りの練習をする。
そして帰り道の途中で再びショックを受ける。
S君に貰ったツバスの刺身を冷蔵庫に忘れてきたことを思い出したのだ。
「今晩何喰おう?」