さあ、ニシンを買って若干興奮気味で帰宅した私は、
早速三匹を塩焼きにして妻と娘と三人で食べた。
案の定子持ちだった。妻と私は白子、娘は卵だった。
ニシンの場合カズノコの方が当たりのようにも思えるが、火の通った
カズノコがボソボソしているのに対して、白子の方はしっとりクリーミーで
白子の勝ちであった。身の方も子持ちとはいえ脂も乗っていて文句なし。
大満足で残り三匹を酢〆に取り掛かる。頭を落とし腹を裂く。
卵や白子の表面にアニサキスが3,4匹ずつ位付いている。今までアニサキスの
入っていないニシンなんて見た事が無かったので、むしろ少ないなあと
思う程だし、身の方には入っていなかった。
個人的にはアニサキスが怖いからと言って、刺身を冷凍してから食べるなんて
御免だとは思うが、商売としてお客さんに出す事を思うと、考え所だとは思う。
私も十年位前に〆サバを作ってアニサキスにやられた事がある。
とても苦しかったが、健康診断の二次検査で胃カメラを飲まされた時の方が
苦しかったので、病院には行かず12時間位我慢した事がある。
その後そのサバを買った店に〆サバ用のサバが並ばなくなったような気がする。
たまたまかも知れないが、もしかしたら他にサバを買ってアニサキスに当たった人がクレームを付けたのではないかとも思う。
そんな事を思い出しながらニシンの酢〆を作って、寿司を握ってみた。
なんとまあ握り易いこと！魚がピタッとシャリと一体化する。
やっぱ寿司は魚で握るもんだなぁーと改めて思った次第でした。
まあ、一人前の職人だったらハムだろうがハンバーグだろうが
何だって握っちゃうのかも知れませんが．．．