いよいよ初日スタートである。
「今日はどんな仕事をするのだろうか?」
接客とか洗い物あたりだろう。
レジを任されないか心配だ。自分でスマホで支払いをする事さえ
出来ないのに。

まず制服を渡される。上着とワイシャツと前掛けだ。
実は東京すしアカデミーで一番初めに教えて貰ったのが
前掛けの締め方だ。これだって教えて貰わなきゃ家庭のエプロンみたいに
後ろで蝶々結びしてしまう所だ。
心の中で東京すしアカデミーと先生に感謝しながら、
涼しい顔で前掛けを締める。

さて準備が出来て案内されたのが、いきなりのつけ場だ!
びっくりである。「今日は細巻きを作ってもらいます。」
女性の職人さんの横について作り方を教わる。
とは言え実の所、巻きの作業自体は難しくない。
細巻き用の機械に海苔をセットしてボタンを三回押せば出来てしまう。
東京すしアカデミーでは細巻きでは苦戦して、若干苦手意識があるのだが
これなら楽勝だ。但し機械で出来るのは巻くところまでで、切るのは
手作業で行う。先輩が包丁で手際よく六つ切りにするが、長さは
結構ばらついている。東京すしアカデミーなら減点だ。

問題は巻きの作業ではなく、具の方だ。
お客さんが注文を入れると、機械からメニューを書いた伝票が出る。
それを見ながら作るのだが、回転寿司なので色々と
オリジナルメニューがあって難しい。
カッパとか鉄火だけではないので、メニュー名を見ただけでは
何を巻くのか分からないものもある。必死でメモを取る。
メニュー表とかマニュアルのようなものが無いので大変だ。
しばらく横で見たところで任される。

まさかいきなりのの職人デビューだ。
早速注文が入る。カチャコン、カチャコンと言っている内に
一本出来上がる。
それをまな板において包丁で切る。我ながら見事に六等分だ。
ハッキリ言って先輩より全然いい。
再び「ありがとう東京すしアカデミー、ありがとう先生」である。
だが包丁が全然切れない。
「包丁切れないなー」先生の曇った顔が浮かぶ。

今日は木曜日なのでそれ程忙しくないのが幸いだ。
普段どの位お客さんが入るのか知らないが
「こんなので大丈夫なの?」という感じだ。
地元の回転寿司はもっと賑わっているような気がするのだが
気のせいか?昼食時を過ぎるとすっかり暇になった。
午後は皿を洗ったり片付け等もしながら終わった。

特別ミスも無くやれやれの一日であった。


投稿者

mojo

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