2週間アルバイトとして働き、その結果をもって社員登用
するか否かを決めるという前提で始まったこの仕事。
普通に考えれば余程の事が無ければ覆る事は無いと思えるが、
万が一のことがあれば、このようなチャンスを再び掴む事の
難しい私としては最善を尽くすしかない。
勤務時間を終えて帰り支度をしようとしていた所に、
面接を担当した部長から声をかけられた。
「仕事はどうですか?」
「楽しいです。」
少し意外な顔をされたが、正直な気持ちだった。
「このまま社員としてやって行きたいですか?」
「お願いします。」決まりだ。
こんなに早く決まるとは少々驚いたが、有難いことだ。
「給料はどれ位欲しいですか?」意外な質問だ。
今迄散々求人募集を見て来たので、大体の相場は分かる。
少しでも多いほうが良い事は間違いないが、元々金の為の
転職ではない。恐らく年収で見れば前職の半分程に
なってしまうだろう。
しかし場合によってはアルバイトとして働く事もあると
考えていたので、社員になれるだけでも十分満足だ。
「お任せします。」相手はきょとんとしていた。